Sales Is Dead

もしかすると世間で一番過小評価されている職種はセールスかもしれない。

営業なんてムリ?

今年入社したばかりの卒業生たちは5月病をうまく乗り越えられただろうか。ニュース記事は自由を謳歌していた学生が「社会」にうまく馴染めずに早々に脱落していく様子を書き立てる。入社して間もなく辞表を出したり、もしくは極端なケースでは何も言わずに会社に来なくなるような人もいるかもしれない。

 

僕は、業界問わず、特に営業職でそういった事例が多いんじゃないかと勝手に思っている。なぜかって、営業って特にスキルや方向性が決まっていない学生の選択肢になりやすそうだから。中途採用においては、技能職からドロップアウトして営業成りするケースもあるんじゃないだろうか。これと言って何もできないけど、仕事して生計立てなきゃみたいな。そんな状態で営業職についたら、そりゃ続かないよね。営業は受け身になればなるほどつらい仕事になる。

 

営業の仕事の中身、やり方は所属する会社、売るものによって千差万別なので、成果の出し方も違う。だから具体的な仕事内容を手順に落として、アカデミックな場で議論されたり、方法論が確立されたりすることもないから。実際に自分が会社に入って、売り物について学んで、お客に接するようになって初めて仕事の輪郭が浮かび上がってくる。どうしたら売れるのか。成功パターンと失敗するパターンが両方見えてくる。お客の難題要求を社内で調整したり、お客さんに自社のやり方へ適応してもらう事もある。

 

営業の仕事を上げてみたらきりがない。ポテンシャルのある客を探す。商談のきっかけを作る。お客から依頼やニーズを見て、見積・提案する。条件を交渉して契約する。。納品が交渉した条件の通りに完了するよう監督する。場合によっては支払いの催促や調整。商談の最初から最後まで顧客の体験が満足度の高いものになるよう面倒を見る。それがリピートの注文を繰り返す大口顧客に育てる秘訣だ。実際に手足を動かさなくても、言ってみればこれらはすべては営業が責任を持って各担当と連携する。。さしあたって自分の周りを冷静に見渡して社内にある材料(人材やナレッジとかのリソース)を理解しておくのも必要だ。

 

営業の成果は数字で反映される比べ易いもの。売上か、利益か、指標は各社それぞれだろうけど。仕事の内容明確に線引きされていないってことは、それだけできる人とそうでない人ではやってる仕事の量も範囲もとてもつもない差がつく。だからぶっちぎりで数字を上げるトップセールスがだいたいどの組織にもいたりする。

 

社内や顧客も含め全体を見渡しながら仕事を進めていく営業は、そりゃ大学卒業したばかりの新人さんには、当初は全く理解できない世界であろう。自分から選択して飛び込んだのであれば、日々の経験を全てを材料にして学んでいけるだろうけど。そうでなければ、ただただ混乱して、成果の出し方もわからず、ストレスになって辞めちゃうのもわかる。