Sales Is Dead

もしかすると世間で一番過小評価されている職種はセールスかもしれない。

文化と個人

僕は仕事柄、様々な国籍の人と話す機会が多い。思いつくままでいうと、米国人、イギリス人、シンガポール人、インド人、インドネシア人、フィリピン人、タイ人、オーストラリア人、カナダ人などが普段仕事上会話する機会のある人たちだ。こうやって、出身国を並べ立てるとそれぞれの文化や歴史など馴染みのないイメージが浮かんできて、ちょっと人付き合いをためらってしまう人もいるかもしれない。ましてや相手が上司や顧客だったりすると、日本人であれば、おもてなしの精神が過剰に働いてどうしていいかわからなくなる人もいるのではないだろうか。その感覚は仕方ない。社会性のある人ほど、相手の好みを察知しながらもてなすことで良好な関係を築こうとする。それ自体は日本人だけでなく全世界共通の基本的な考え方だ。

ただ、僕が実体験を通して感じたことは、相手の出身国の文化と、自国の文化が大きく違っても、一対一の付き合いになればその違いはさほど影響はないということだ。個人間のレベルになれば、同じ人間である。(人類みな兄弟みたいな牧歌的な話がしたいわけではないのだが。。)だから、相手の文化がどうこうあまり考えすぎず、お互い「素」になるほうが円滑なコミュニケーションが取れる。同じ米国人でも人によって千差万別だ。


しかしだ、それでも小さな違いはある。考え方や感じ方の傾向、お国柄みたいなものだ。だから10人、100人、千人、万人という単位で見ると、その傾向が拡大されていく。アムステルダムと東京の街並み。英語と韓国語。ニューヨークのヒップホップと、日本の演歌。ロシア料理とタイ料理。中国とカナダの消費者。個人レベルでは気にならない小さな違いが、大勢の人々が時間をかけて創作した「文化」になるとその違いは増幅してはっきりとしたものになる。

 

今でこそ外国人の受け入れを緩和し始めているけど、日本人として日本に住んでいると日常生活の中で個人対個人で外国人と接する機会が少ないと思う。けれども、ビジネスの世界では半世紀くらい海外をマーケットとしてみることに慣れているから、国ごとの括りでなんとなく想像して、それをそのまま個人の性格などに当てはめてしまう傾向にないだろうか。例えば、黒人をみたらすぐにバスケットボールもしくはラップがうまいとか思ったり(笑)。僕は、バスケもラップも興味がない、黒人のITエンジニアと仕事をすることがあります。もしくはアメリカ人は皆白黒はっきり結論を述べるから、こっちもYES/NOきっぱり言おうとか。。アメリカ人だって曖昧にしかわからないことなんていっぱいあるでしょうに。ただ、NBAには黒人多いよね。。。